わたしたちが亀田縞を届け続ける理由〜亀田縞のタックパンツ発売に先立ちまして〜

2025.9.09

わたしたちが作っているパンツやネクタイ、トップス、ハンカチなどに使われている素材。「亀田縞」という生地をご存知でしょうか?

新潟市江南区の旧亀田町の2社の機屋(織物メーカー)で製造されている綿の織物です。江戸時代に製造が始まり、大正時代が最盛期だったそうで家内工業を含めた600もの綿織業者さんがいたそうです。https://kamedajima.net/history

一時は生産が途絶えていましたが、2000年代に入り、当時織られていたという生地見本をもとに復活しました。たくさんの糸を束ね織った生地は、実際に手で触れると化学繊維の生地とは異なる、なつかしさを感じる素朴な風合いで、糸、染め、織り、洗い、乾燥により丈夫な仕上がりとなっています。

◾️ヒッコリーと亀田縞の出会い

そもそも私たちが亀田縞の商品を作るきっかけとなったのは、2018年頃に参加した、亀田縞のこれからについて考えるプロジェクトの勉強会でした。

他の地域で作られている織物と亀田縞との乾かし方の違いや、生地の強度、手で感じるやわらかさや肌触り、色の風合いの良さなど亀田縞ならではの特徴に面白さを感じました。

わたしたちが暮らす新潟市のすぐそばにある亀田縞という生地に、親しみを覚えると同時に、これまで続いてきた風土や暮らしに根差した仕事であり、それが継承されていることの貴重さにも強く惹かれたのです。

◾️気の遠くなるような手間と歴史と熟年の職人技が紡ぐ、亀田縞

亀田縞の歴史や生地そのものの魅力だけではなく、作り手の方々に出会ったことも、私たちが亀田縞を伝えたいと思った理由の一つでした。

ヒッコリーの亀田縞アイテムに使われている生地は、江南区(旧亀田町)で亀田縞を作られている2軒の織物メーカー「中栄機業」さんと「立川織物」さんが持つ数百種類の生地見本の中から選んでいます。江戸時代からあったといわれている独特な縞模様は地味なものかと思いきや、よくみると、明るく強い印象のものもあり現代的でもあります。

実際に、亀田縞が作られている様子を勉強しに中栄機業さんへ見学に行きました。

中栄機業の職人・中林さん

亀田縞の生地は凹凸を感じられる綿特有の質感があり、化学繊維やシルクともまた違う柔らかさが感じられるのが特徴です。縦糸と横糸には線の太/細があり、それを紡ぎ合わせて織ることによって生地に立体感がうまれ、質感の上質さにつながっています。亀田縞が出来上がるまでには、1本1本の糸を色見本をベースにセットし織機(おりき)の糸と結び、手作業でおよそ3000本以上の色糸を束ね、重ね、織るという気の遠くなるような職人の熟練の技の積み重ねがベースにあります。私たちも見学してお話を伺い、手仕事の技術と職人技に驚かされました。

「珍しいから」というよりも、「途切れさせたくない」、「これからも次の世代、もう50年100年も続くものであってほしい」という思い。この生地を作り続けることが出来る/亀田縞を使い続ける人がいることが重要だと感じて、亀田縞の生地を使用した商品を作ってみなさんにお伝えしたいと思いました。

◾️私たちが提案する、新しい亀田縞のオリジナルアイテム

亀田縞の生地を使った新しいアイテムを作りたい。
そう考えた時、頭に思い浮かんだのがパンツでした。


全国には久留米絣でもんぺを作られている九州の「うなぎの寝床」さんを代表に、各地域の伝統的な生地でパンツを作っている取り組みがたくさんあります。

私たちが作りたい亀田縞のパンツは、私たち自身が“履きやすい”“普段使いしやすい”と思えるもの。そして、パンツの生地が地元・新潟で作られているもの。そこで、新潟でファッションデザイナーとして活動されている「TULIP EN MENSEN」の横山氏にご協力いただき、履きやすく、でもすっきりして見えるようなパターンを引いていただだきました。

出来上がった長パンに「亀とうさぎ」のパンツと名付け、お店で販売。
実際にお客様に試着していただくと「軽い!」「涼しい」とその快適性に驚かれる方が多く、履き心地の良さやシルエットなどを気に入っていただき、長く愛着を持って活用していただけるようなヒッコリーの定番アイテムになりました。

亀田縞はかつて湿地だった亀田地区で稲作農家さんが作業するために作られた綿織物だったので、じゃぶじゃぶ洗ってもへたらない丈夫さで風通しがよくすぐ乾くという素材の魅力が、パンツという日常的に身につけるアイテムになることでより生かされ、亀とうさぎのパンツを通して生地の魅力を県内外の方にお届けすることが出来ました。

◾️実際に亀田縞のアイテムを販売してみて、私たちが感じたこと

亀とうさぎのパンツの他にも、エプロン、ハンカチ、ネクタイなどヒッコリーにはさまざまな亀田縞のオリジナルアイテムがあります。

実際に亀田縞のアイテムを販売してみてわたしたちが感じたことは、亀田縞は色々なシーンで愛着を持って気に入っていただける機会が多いということ。

亀とうさぎのパンツは、一度履いてみたらすごく涼しかった、履きやすかった、と2枚目を購入されるお客様が多くリピート率が高いのが印象的でした。また、ウエストがゴムで履きやすいので年齢を重ねた両親への贈り物に、とプレゼントに選ばれる方や、軽くてパッキングに便利だからと旅行の着替え用に選ばれる方もいらっしゃいます。

昨年リリースした新たな亀田縞のネクタイシリーズ「ニイガタネクタイ」は、父の日の贈り物や、転勤・異動される職場の同僚や上司への送別のプレゼント、大学のゼミの先輩の就職祝いなど、さまざまな場面でご購入いただいております。また、新潟に住んでいらっしゃる方でも「地元のもので素敵だったから」「仕事で身につけて話題作りのきっかけにしたい」「こういうシャツに合わせやすそうだから」とご自分用に買ってくださる方も。

他にも、お仕事や引越しで新潟を離れる方への贈り物や、ご自身の退職でお世話になった方へ配る用に亀田縞のハンカチを選んでいただくなど、年代や場面を問わず亀田縞がさまざまな方の手に渡っていく姿を見ていると、私たちもこれから“いいな”と思う亀田縞のアイテムをご提供し続けていきたいな、と思うのです。

◾️新たな亀田縞のパンツシリーズが今秋登場します!

そんなご好評いただいている亀田縞のパンツシリーズ。

初販売から今年で7年目になりますが、この度新たに、“こんな形のものがあったらいいな”と私たちが考える新作の「亀田縞のタックパンツ」をリリースすることになりました!

タックパンツのシリーズは、わたしたちのお店がある町の名前から取り「〜Furumachi〜」と名付けました。肌触りの良い綿と、現代的なシルエット。そして亀田縞の古典的な空気感が合わさったパンツは、懐かしいのに新しいニューオールドな古町の雰囲気にぴったりです。

柄は3種類。各柄のネーミングも「YANAGI(柳)」「KOUJI(小路)」「HORIWARI(堀割)」と古町の景観の要素を感じられるものになっています。

新しいパンツはこれまでのパンツよりも形がストレートワイドタイプになり、丈も長くなりました。

男女兼用のワンサイズですが、メンズ寄りのゆったりしたシルエットなので、画像のように裾をロールアップしたり、ウエストを折って丈を調節したりドローコートで絞ったりと、着る人によって遊ぶ余白のあるデザインになっています。(着用モデル:身長150cm)

今までのパンツの形だと丈が短くて買えなかった、形が似合わなかった、と感じられていた方も、履いてみようかなと思っていただけるようなパンツに仕上がりましたので、ぜひ発売を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

デザイナーのTULIP EN MENSENの横山英也氏より、コメントも届いています。

亀田縞のタックパンツ「〜Furumachi〜」の発売日と詳細については、後日あらためて発信いたしますので情報公開をお待ちください^^