「 ちいさくておだやかさ ->>> 迫一成 展 」

2022.7.11

12年ぶりに個展を新潟絵屋さんで開催させてもらうことになりました。
お知らせと、今の気持ちを綴りました。お時間があれば読んでみてください。
明日には内容が変わっているかも知れません。
楽しくも悩みつつも、後悔がないように、誰かに背中を押されたような、
誰かに見てもらいたいような。不思議な気持ちで挑む展覧会です。

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<ちいさくておだやかさ>

誰かに自分の絵を見て欲しくて、その絵を見て誰かがよろこんでくれる、そんな人生を送りたいと思い、
21年前にヒッコリーという名のチャレンジというかプロジェクトが始まった。
できるだけ、のびのびと。

答えはない自分探しのような創作を新潟でやっていた。個展や企画や誰かを巻き込んでのプロジェクト。
いろいろやっていたら、問題や悩みを持っている方々から頼まれて答えを探すデザインのようなお仕事についやす時間がふえた。
さらに、お店の数や活動の幅が広がり時間の使い方が変わっていた。

江戸時代から続く染物屋さん、明治時代から続き今は1軒だけになった飲料に浮くお菓子、日本に3軒しかない砂時計工場を1人で運営する方など新潟での活動ならではの出会いも多くあった。新しい出会いに導かれ素直に取り組んできた。

3人の子供たちはおかげさまで、元気に育ち、それぞれの個性と共に生きている。
動きを見たり言葉を聞いたり、描いたものを飾ったり書いたものを楽しく読んだり。
子供が楽しそうに描く絵や文字をみているうちに、自分もやっぱりそんな風に絵を描きたいなと。
変わらない衝動のようだ。

そして、今年たまたま訪れた新潟絵屋で高校教師でもある作家さんの展覧会で作品を見た。
ふと、今の自分が作る絵を誰かに見てほしい。そんな気持ちになった。
日々することがいっぱいで追いついていないのに、またやってみたいことができた。楽しみがふえた。
そのうち久々の個展をやってみたいと絵屋の井上さんに相談したところ、思いがけずその機会はあっという間におとずれた。

どんな展覧会だときた人は喜んでくれるかな、とか今の自分は何がしたいのか、
何のためにやるんだっけ、目的は、テーマは、いろいろ考えたらよくわらかなくなった。
目の前にあるもので、自分を解放しよう。少しだけ、ぼやっとした輪郭が見えた気がした。
その時、たまたま目の前の新潟の貴重な砂時計があった。
外側も内側も見える、上下をひっくり返すと砂が移動する。そこに油性ペンや筆で絵を描く。
そういえば向こう側が見える。なんだか楽しい。
ワクワクする世界が見えた。

今の僕にできる展覧会は、この砂時計と一緒にできることだと思った。

ちいさくていい。見栄を張らなくていい。勝ち負けもいらない。おだやかでありたい。


そんな感じの展覧会。いつまでも終わらない自分探しですが、
どうぞお付き合いいただけるとうれしいです。

迫一成


1978年福岡県生まれ、1997年から新潟暮らし。2001年クリエイト集団hickory03travelers結成。「日常を楽しもう」をコンセプトに新潟市上古町に店を構え、イラストを軸にしたデザインで老舗や地域の技術と穏やかに交わっている。発信。継続。上古町商店街でもイラスト・デザインをいかした活動を展開し、県内外からも注目されている。新潟絵屋での個展は、2006年「Do 迫一成展」、08年「カウントten」、10年「are-colle」以来。https://arekore000.com

会期:2022年8/18(木)->>> 31(水) 11:00~18:00 最終日は17:00まで
場所 新潟絵屋 NIIGATA EYA  
入場無料
951-8068 新潟市中央区上大川前通10-1864
tel.fax. 025-222-6888 http://niigata-eya.jp/